パルムドール受賞!ブラックユーモア満載の「逆転のトライアングル」とは
セレブと使用人、若者と老人、外国人労働者とその雇い主…
もしお互いの立場が逆転したら、人はどうなってしまうのでしょうか。
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した、話題のコメディ映画「逆転のトライアングル」が公開されました。
今回はこの映画のあらすじと、注目すべきポイントについてご紹介しましょう。
無人島で大暴れ!社会的な皮をはぎとられた人間の本当の姿
物語は豪華客船の上から始まります。
ファッションモデルの男性たちが集められ、
「高級ブランドのショーは笑わない」
「庶民的なブランドは満面の笑み」
と、表情を使い分ける練習中。
この中にいるのが主人公のカールです。
彼は恋人で人気インフルエンサーのヤヤと一緒に、豪華客船の旅に出かけています。
この船には他に、ロシアの大富豪やイギリスの武器商人が乗っていました。
船長はアルコール依存症、客室乗務員はチップのためなら魂を売るような者ばかり。
見た目は豪華絢爛ですが、中に乗っているのは欲望にまみれた汚い人間たちです。
その人間たちは「セレブ」「上品な老夫婦」「モデル」「船長」「豪華客船のクルー」という肩書を被って、知性に満ちた高等生物のようにふるまっていました。
ところが…
船が嵐に巻き込まれ難破し、彼らの状況は一転。
無人島に投げ出されると、人間たちの本性が明らかになっていきます。

ヒエラルキーが逆転!頂点に君臨したのは…
無人島に流れ着いた彼らを待っていたのは、何もない世界でした。
水や食べ物もない、もちろんSNSもない完全なサバイバル空間です。
どんなに銀行口座にお金を持っていても、どれだけSNSのフォロワー数が多くても、ここでは何の意味もありません。
セレブやインフルエンサー、豪華客船の船長までも無人島ではただの役立たず。
この極限状態で必要なのは、サバイバル能力だけでしょう。
それを持っていたのが、なんと船のトイレ清掃担当者アビゲイルでした。
豪華客船が難破するまではヒエラルキーの最下層にいた彼女は、無人島でトップに君臨することになったのです。
セレブは笑えない?ブラックユーモアだらけの逆転劇
高級食材を当たり前のように食し、客室乗務員に無理難題を言って遊ぶセレブ。
チップのために何でもする客室乗務員。
そして少ない賃金で汗水たらして働いてきた有色人種の掃除婦…
この映画に登場する人物たちは、現代のヒエラルキーを圧縮したような構図になっています。
日頃虐げられている立場の人や、生活が苦しい人にとってはスカッとする話になるでしょう。
しかしセレブにとっては、「いつか自分にもこんな地獄が待っているのでは…」と全然笑えないかもしれませんね。
権力や財力を身にまとっている人間は、皮をはがせばただの欲深い生き物である。
それがこの映画のテーマになっています。
ただのコメディでは終わらない、ちょっと考えさせられる作品ですね。












